製品情報

製作フロー

プレストレストコンクリート製品の製造の流れ

各工程をクリックすると工程説明箇所へ移動します。

製造計画

はじめに、製造担当者が製品の製造に関する基本事項の遵守を再確認し、契約時の設計図書の内容を確実に理解した上で、設計事務所、発注者および製造会社が連携し、製造計画を立案します。
緻密な計画によって製造された高品質な製品の提供は、顧客満足度を高め、信頼関係の構築につながっていきます。
また製造計画検討会などで、関係者が日々学習し、改善をおこなうことで、職員の意識向上やマネジメント力の強化が期待できます。

  • 製造計画検討会製造計画検討会
  • 製造計画検討会製造計画検討会

鉄筋組立て

設計図面を基に施工図面を作成し、鉄筋の配置や作業方法などを指示します。
配筋図を読む能力が必要なため、経験を要します。
鉄筋は建物の構造上とても重要な部材ですが、コンクリートを流し込んでしまえば見えなくなるため、コンクリートを打設する前に厳しい配筋検査を行います。
また、指摘があれば速やかに是正しなければならないため、正確に組み上がるように管理監督することが重要となります。

●鉄筋の結束は、機械化により省力化が図られます。
【結束とは】
結束線と呼ばれる針金で鉄筋を結束する工程を言います。
ハッカーと呼ばれる器具を使用し、熟練工が手作業で結束を行う場合もあるが、機械化が導入されています。

●打設前の配筋検査には、AI配筋検査システムの活用により、省力化が図られます。
【AI配筋検査システム】
検査帳票作成から検査結果帳票の自動生成まで一連の作業を効率化されます。
AI配筋検査端末による画像処理にて、鉄筋径、鉄筋間隔を高精度で自動計測し、データはクラウド上へアップされアップされたデータが検査帳票に転送されることで、検査結果帳票を自動生成するシステムです。

  • 鉄筋結束機使用状況鉄筋結束機使用状況
  • 鉄筋組み上がり仮置き鉄筋組み上がり仮置き
  • AI配筋検査端末AI配筋検査端末
  • AI配筋検査端末AI配筋検査端末

PC鋼材緊張

通常工場では、下図のような緊張ジャッキと反力台(アバット)を用いてPC鋼材を緊張します。
本方式の場合、コンクリートとPC鋼材の付着によってプレストレスが導入されます。

緊張力の管理はパソコンにより自動計測を併用し、細心の注意を払い実施します。

緊張力の管理はパソコンにより自動計測を併用し、細心の注意を払い実施します。

  • 緊張力の管理はパソコンにより自動計測
  • 緊張ジャッキと反力台(アバット)緊張ジャッキと反力台(アバット)

型枠の組立て

コンクリート構造製品を製作するのに、欠かすことができないのが型枠組立てです。
数枚で構成される2次元の設計図面から、立体の3次元の製造する構造物の寸法や形状などを正確に把握し、切り欠き位置などを型枠加工する協力会社に指示します。
近年は3次元CADソフトも普及し、パソコンで正確に表現することも可能です。

  • 3次元CADを使用した検討図
									3次元CADを使用した検討図
  • 木製型枠組立て状況木製型枠組立て状況
  • 鋼製型枠組立て状況鋼製型枠組立て状況

コンクリート打設・養生

コンクリート打設とは、生コンクリートを型枠の中に流し込む作業を指します。
工場では構造計算をもとに決定した配合(調合)にて事前の試験練りを実施し、打設するコンクリートを練り上げますが、打設前には実際に練り上がった生コンクリートが適切な品質を確保できているか検査を行います。
打設前の検査項目は、おもに以下の3点です。

(1)スランプ試験   
(2)空気量試験   
(3)塩化物含有量試験

(1)スランプ試験
スランプ試験とは、「生コンクリート」の柔らかさの程度を示すもので、スランプコーンと呼ばれる高さ30cmの筒に生コンクリートを詰め、筒を引き抜いた時にどれだけ下がるかでスランプを測ります。

(2)空気量試験
空気量試験とは、「生コンクリート」中の空気の量を測定するもので、コンクリートに空気を含ませる事で、凍結融解抵抗性(内部の水分が凍結と融解を繰り返すことによって生じる劣化の抵抗性)を高める事ができます。
空気量試験は、エアーメーターと呼ばれる試験器具によって測定されています。

(3)塩化物含有量試験
塩化物、いわゆる塩分は鉄筋の腐食の原因となるため、生コンクリート中の塩化物イオンの量には上限が設けられています。
JIS(日本工業規格)では、通常0.30kg/㎥以下とされており、購入者の承認を受けた場合には、0.60kg/㎥以下とすることが出来るとされています。

●打設後は、蒸気養生を実施します。
蒸気養生とは、蒸気によって温度を高め、早期にコンクリートの強度を発現させる養生方法のことです。
1つの型枠で、1日1部材を製造するサイクルを実現するため、短時間での規格強度の確保に有効な養生方法です。
また、蒸気養生の温度管理は、良質なコンクリートの品質を確保するためには重要で、パソコンを用いた自動計測を併用し、細心の注意を払い実施します。

  • コンクリート練り混ぜミキサー等制御監視システムコンクリート練り混ぜミキサー等
    制御監視システム
  • 蒸気養生の自動計測状況蒸気養生の自動計測状況

脱枠・プレストレス導入

例えば、プレキャストプレストレストコンクリート製品 JIS A 5373-2016 の設計・製造便覧では、プレストレスを与える時の圧縮強度が35N/㎟と示されているため、打設日の翌朝、プレストレス導入前に圧縮強度の確認試験を実施し確認します。

  • 圧縮強度試験状況
  • プレストレス導入のイメージアニメ

仕上げ・検査

プレストレス導入完了後、PC鋼材の切断、切断箇所の防錆処理等の他、打ち継ぎ面等については洗い出し仕上げを行います。
洗い出し仕上げとは、表面のセメントペーストを高圧洗浄機などで洗い流すことで、表面のセメントペーストを剥がし、骨材を露出させる仕上げ方法です。
コンクリートの打ち継ぎ面などコンクリート同士の付着が良くなるようにこの洗い出し仕上げが用いられます。
また、出来上がった製品は、各品質管理基準及び規格値に従い検査します。
従来は、外観・形状寸法を計測し調書へ手書きで書き込み、事務所に帰りパソコンにデータ入力を行っていたが、近年は、音声入力ソフトを使用することで、手持ちのスケール等にて測定後、数値をマイクに発声することで、検測値を認識し、タブレット内の調書(xls)に自動入力されることが可能となっています。

  • 音声入力ソフトの活用音声入力ソフトの活用
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