工事の特徴

既存の基礎外周や耐圧盤を活用

アパホテルの新築工事の場合、既存建築物の解体は発注者側、基礎の解体は受注側で行うという独自の決まりがあります(一般的に既存建築物の解体は受注会社が担当することが多い)。しかし、今回は基礎外周部と耐圧盤をそのまま残してその内側に建物を作るという計画でした。
この計画には工期短縮や廃棄物を削減するという狙いがあります。つまり、残した基礎外周部はそのまま山留として活用し、耐圧盤もそのまま使用することで工期短縮や解体ガラの廃棄量抑制にも繋げようという狙いです。
「既存の耐圧盤は残しますが、杭は新しく打たなければいけません。そこで今回、採用したのがオールケーシング工法とアースドリル工法の機械を同時に現場に入れるという方法でした。まず、オールケーシング工法によって既存耐圧盤の一部と既存杭を撤去し、そのままアースドリルの機械に変えて新しい杭を打つということを計画。同時に2つの機械を入れることで工期短縮が図れるのですが、機械が設置できるスペースがないと実現不可能です。幸運にも2つの機械を設置できるスペースがギリギリで確保できたので採用を決定しました。おかげでかなりの工期短縮に繋がりました」。(毛利所長)
そして工事前には、もう一つ難題を抱えていました。それは北側にある神田川の護岸の形状がわからないという点。護岸は水の浸食を防ぐためL字型になっていますが、その底部が川側に向いているのか敷地側に食い込んでいるのかで工事できる範囲が異なります。敷地側に食い込んでいれば、その部分の上には建物を建てることができません。しかも神田川を管理する千代田区河川管理事務所には図面が残っていなかったため、掘り起こすまではわからないという状態でした。
「もし護岸底部が敷地側にある場合は、その上に構造物を建てられないので、2階から張り出して建てるという代案も作って臨みました。結果として護岸底部は川側にあったので当初の計画通りの設計で工事をすることができました」。(毛利所長)
本工事では、既存の基礎外周部と耐圧盤の活用や護岸問題などの課題がありましたが、結果的に工事短縮に繋がり順調に工事が進んでいます。

アパホテル独自の仕様への対応

現場周辺の環境は、当初の予想よりも好条件が揃っていました。当初は、現場がJR水道橋駅に隣接しているため、交通量が多くて資材搬入やコンクリート打設用の工事車両の配置に制約が多いと予想していましたが、実際にはスムーズな搬入管理が可能でした。
「駅と現場の間にある道路は一方通行で、高架下を潜っているため高さ制限があり交通量はそう多くはありません。そのため工事車両はスムーズに入って来られますし、道路幅があるため現場に横付けしてコンクリート打設することもできます。しかも警察の許可を得て、工事車両は一方通行部分をバックではなく、Uターンして出られるようになりました。そのため工事車両の管理もしやすいです」と語るのは新入社員の何継維かけいいさんです。何さんは道路使用の申請書などの書類作成をはじめ、先輩社員や職人さんと頻繁にコミュニケーションを取りながら知識を吸収しています。
また、アパホテルの独自の仕様やルールについては毛利所長の前回のアパホテル秋葉原駅東の経験が活かされています。
まず、アパホテルではオレンジを基調としたカラーリング、豪華なエントランス、機能的で洗練された客室などでブランドイメージを築いてきました。その背景には全てのホテルの意匠を担当するデザイナーの詳細なスケッチがあり、これを忠実に再現することが求められます。
「品質管理には人一倍配慮しながら臨んでいます。全体的な工程管理などは所長と主任が行っており、私の役割は各工程における協力会社や業者さんと調整しながら資材発注、搬入管理、施工管理などを行っています。これまではゴミ処理場や事務所ビルの建設などを経験してきましたがホテル建設は初めての経験です。ここまでは躯体工事でしたが、今後は内装工事が始まります。工場や事務所ビルに比べて細部までこだわったホテルならではの内装工事もあるのでこれまで以上に緊張感をもって臨みたいと考えています」と語るのは入社5年目の半田紹真さんです。まだ3つの現場しか経験していませんが任される仕事がどんどん増えていることからも、その成長スピードには目を見張るものがあります。
また、アパホテルは工事の進捗に合わせて3つの重要な審査をする機会を設けています。それが「平面詳細図検討会」「止水検討会」「モデルルーム内覧」です。「平面詳細図検討会」は1フロアごとの客室の施工図を検討するもので、こちらの検討会で確認してから躯体工事に入ります。同じように「止水検討会」では水漏れなどの不備を検討し、最終的にはアパホテルの経営陣が視察する「モデルルーム内覧」をクリアすることで、初めて内装工事を始めることができます。
このように、工事の進捗に合わせて検討する機会があり、工事のやり直しなどの不備を事前に無くす工夫がされています。毛利所長は前回の経験を活かして準備を万全に行うことで対応してきました。

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