プレストレストコンクリート(PC)とは?
PCって何だろう?
PCとは Prestressed Concrete(プレストレスト コンクリート)の略称で、直訳すれば「あらかじめ応力を与えられたコンクリート」といったところでしょうか。PCの技術を用いることによって、コンクリートの最大の弱点(圧縮には強いが引張には弱い。)を克服することができます。
動画解説
無筋コンクリートの場合
無筋コンクリートは引っ張る力にめっぽう弱く、引っ張りに耐えられる力は圧縮に耐えられる力の1/10程度しかありません。そのため、大きな引っ張る力が作用した場合、破壊してしまいます。
鉄筋コンクリートの場合
鉄筋コンクリートはひび割れやすい部分を鉄筋で補強しているため、大きな引っ張る力が作用しても鉄筋が抵抗し、破壊に至ることはありませんが、コンクリートへのひび割れの発生を完全に防ぐことはできません。
プレストレストコンクリートの場合
プレストレストコンクリートは、あらかじめ(プレ)圧縮する力(ストレス)を与えることで、大きな引っ張る力が作用してもひび割れを自由自在に制御することができます。
PCはどうやってつくるの?
コンクリートに「プレストレス」を導入するには、鉄筋の5~6倍の強度を持っている「PC鋼材」と呼ばれる高強度の材料を使います。プレストレストコンクリートをつくるためには、PC鋼材を引っ張って(この作業を「緊張」といいます)、張力を与えた後にコンクリートと固定します。緊張により伸ばされたPC鋼材が元に戻ろうとする(縮もうとする)性質を利用し、コンクリートに圧縮力(ストレス)を与えます。
プレストレスの導入方法は、「プレテンション方式」と「ポストテンション方式」に大別することができます。これは、PC鋼材をコンクリートの打設前(プレ)に緊張するか、打設後(ポスト)に緊張するかの違いによります。
(1)プレテンション方式
通常は工場で行われる方法で、下図のような手順でプレストレスを導入します。
本方式の場合、コンクリートとPC鋼材の付着によってプレストレスが導入されます。
-
1PC鋼材の緊張
-
2コンクリート部材の製作
-
3プレストレスの導入
プレテンション方式の場合、PC鋼材の定着力は、コンクリートとPC鋼材の付着力にて保持されます
(2)ポストテンション方式
打設したコンクリートが固まった後、あらかじめ設置しておいたシース(PC鋼材を通すための円筒断面形のさや)に配置したPC鋼材を緊張して、プレストレスを導入します。PC鋼材を自由な形に配置することができ、大型構造物への適用が可能です。
-
1製作ベース上での、鉄筋、シース、型枠の組立
-
2コンクリート打設、養生
-
3プレストレスの導入、グラウトの充填(じゅうてん)
PCは何に、どうやって使っているの?
PC(プレストレストコンクリート)は、橋やタンクなど様々な所に使用されています。
PCを用いれば、スレンダーで美しく、丈夫で長持ちする構造物を造ることができます。
橋梁
PCを、橋梁上部工に活用する場合は、いろいろな方法(架設工法)があります。

建築
容器
PCを、タンクや貯水池などの容器に使う場合は、円周方向にプレストレスを導入します。


防災施設
PCを、ロックシェッドやスノーシェッドなどの防災設備に使う場合は、梁や柱の長手方向にプレストレスを導入します。


- お電話でのお問い合わせ
-
お困りのことがございましたら、ご相談ください。
- TEL
- 03-6385-8050
- FAX
- 03-3536-6936
受付時間:平日(月曜~金曜)8:30~17:30
(土、日、祝祭日、夏季・年末年始等の弊社休業日を除く)
- フォームでのお問い合わせ
-
24時間365日 ご相談を受け付けております。